暑い。まだまだ暑い。
「俺たちの夏は終わらないぜ!」と
キラキラした若者たちであれば
絵になるのだが、50手前の
おぢさんには、かなりキツイ。
先日、100円ショップで
買い物中に、以前から興味の
あったものを見つけた。
「ハッカ油」
メーカーのホームページを
拝見すると、「ハッカ油」は、
「ハッカソウ」というミントを
乾燥させて抽出した植物油のこと。
消臭効果や虫除け効果、リラックス
効果があるとされており、日常生活の
さまざまな場面で活躍。とあり、
まさに「魔法のしずく」なのだそうだ。
価格は100円ショップで500円と、
そこそこ、高額ではあったのだが、
以前から興味のある代物であったため、
迷うことなく購入をした。
一時、YouTuberの方とかが、
湯船にハッカ油を大量に入れて浸かり、
「寒い!寒い!」とかやっている動画を
よく見たりしていた。節電がさけばれて
いる昨今、私も試しにお風呂にハッカ湯を
入れてみようかな。と思い経つ。
しかし、いざお風呂に入れて試してみよう
と思ったが、そもそもの適量が解らない。
それこそ入れすぎて、「寒い!寒い!」と
なってしまったらどうしようかと。
まぁ、それはそれで、ネタになるかなぁ。
とは思ったが、こちとら、根っこが
ビビりのおぢさんだ。すぐさまネットで
調べて見ると、5滴程度が適量とのこと。
とりあえず、最初にハッカ油を5滴振りかけ、
湯船にお湯を溜める。その方が後ほど入れる
よりかき混ぜる等の手間がはぶけると考えた。
湯船にお湯が溜まり、ではお風呂に
入りましょうと扉を開けると、湯気とともに
ハッカの香り押し寄せる。いたるところが
スカスカしている。喉や鼻などのはスースー
するし、なんならば、目も少し染みる。
「これ絶対アカン奴!」とビビりまくり、
しばらく全裸で立ち尽くす。
意を決し、ハッカ湯のお風呂に入浴。
「あれ?全然対したことがない。」
臭いはすごいのだが、気持ちスカスカする
程度。普通に爽快ではあるが涼を求めると
なると話は違う。
一度、大丈夫と思うとおぢさんの
分量の強弱が壊れてしまう。5滴で全然
平気なのであれば、20滴ぐらいを入れて
みよう。何ならば、水を足してぬるくしよう。
私の飽くなき探求心は止まることを知らない。
ほぼ水風呂状態にまで温度を下げ、ハッカ油を
20滴ほど湯船に垂らす。前回は適温だったため
湯気で目がチカチカしたが、
今回は、ほぼ水風呂のために差ほど目もチカチカ
しない。そう思いながら、湯船をカモカモし、
いざ湯船に入浴してみる。
ほぼ水風呂にハッカ油のスカスカ加減が
心地よい。
これは成功したな。と満足をしながら、
湯船に使っていたのだが、すぐさまに
体に異変が起きた。
意としないところで、歯の震えが
止まらなくなったのである。
おかしい。ほぼ水風呂とはいえ、
先ほどまでは適温であったはず。
特段寒さも感じていない。
なのに自然と歯が震えてきている。
ヤバイ。なんか怖い。
急いで湯船を追い炊きする。
湯船は徐々に暖まる。
暖まるのに変な感じがする。
お湯は温かいのに肌はスースーする。
いや、むしろピリピリする。
チョット寒気がする感じ。
感覚的には風邪を引き、高熱を
出した時のような症状に近い。
ひどく不自然で気持ちが悪い感覚だ。
「ヤバい!ヤバい!」
「怖い!怖い!」
「寒い寒い!」
誰に見せるでもなく、一人で
大騒ぎとなる。とりあえず、
風呂から出て、一旦落ち着こう。
状況を変えることで落着きを
取り戻そうとするが、
私は大事なことを忘れていた。
そう。風呂上がりに最大の涼を得るため
クーラーをガンガンにしていたのである。
東北地方の話方は口をあまり開けずに
言葉を短縮する。なぜならば寒さのため
極力口を開けないようにするためなのだと
何かで聞いたことがある。
真偽の程は解らないが、つい先ほどまで
「寒い寒い」と言っていたおぢさんが、
「サムサムサム」となり、ついには
「サササササ」とガチガチ震えている
状況からして、あながち間違いではない
かもしれない説である。
急いで冷房を切り、しばらくすると、
またジンワリと汗ばみ始める。
先ほどまでは「寒い寒い」と震えていた
おぢさんが冷房を切ったら切ったで、
すぐさま「熱い熱い!」とほざいている。
人間とは何と愚かな生き物なのだろうか。
そして人類は何度同じ過ちを
繰り返すのだろうか。
「俺は一人で何をしてるんだろう」と
軽く落ち込み始める。
この時期、夏の疲れ・身体のだるさから
「夏季うつ」になるケースもあるらしい。
夏季うつとは季節性感情障害の一つで、
夏の時期に発生する季節性のうつ病のことだ。
解っている。私の今回のケースは「夏季うつ」
とは全く違うということを。
ある意味、違う病気なのかもしれない
ということを。
良く言えば、おぢさんは、
「感受性が豊かな日本人」なのだ。
「落ち込んだりもしたけど、私は元気です。」
感受性が豊かなおぢさんは、
魔女の宅急便の言葉を胸に
今日という日を元気に過ごしている。
(2022.08.26:コラム/上野龍一)
【 上野龍一 】
~プロフィール~
1975年4月28日生まれ
新潟県新潟市出身
「有限会社看板の上野」代表
経営者として人生経験を積む傍ら心理学、コーチング、エゴグラム心理分析などを研究。
自らを実験台に実績を繰り返して企業や学生への講師やコーチング、セミナーなどを開催する「可能性創造研究所」を設立。
また、地域イベントの企画、運営をするユニット「ニイガタ工務店」としても活動中。
「働くということは社会に貢献すること」を信条とし、様々な地域活動や企画運営を行っている。